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2006年05月31日
気功
昨日に引き続き山神温泉での話し。夕食も済んで部屋に戻ると弟子が「マッサージを致しますで・・・・。」と言う。彼はいつも旅の宿では体を揉んでくれるので、「おう、頼むわ!」と言った。いつもの通り揉んでくれるのかと思ったら、只手を当てるだけで、何かぶつぶつと独り言を言いながらやっている。変なマッサージだな、と思ってじっとしていた。時折足裏に当てた手をぶるぶる振っている。説明に寄ればこれは気功という治療法で気の流れが滞留している部分を見つけ足裏から自分の手に流すのだそうだ。ビリビリと伝わってくるので、時折それを振るい出していたと言う。1時間ほどで終わり、「どうですお腹の当たりがスッキリしてきたでしょう。」と言うから、本当はぜ~んぜんスッキリしていなかったが、悪いから、「うん、なんかスッキリしたような感じ!」と言った。後、何処かやって欲しいところはと言うので普通に背中を揉んで貰った。この方が確実に効いた。難しい理屈は解らぬがこちらの気持ちがリラックスし気持ちよさを実感できないような治療は所詮駄目だ。1日も早く気功など止めて昔ながらのマッサージにして欲しいと願った。まっ、只だから文句は言えないが。
2006年05月30日
先住職の23回忌法要
昨日当山の毎歳忌法要が無事円成し、午後からT市の山神温泉へ行った。23回忌法要の晩炊(ばんすい・行事前晩の食事)である。禅寺独特の習慣で、10人ほど関係者が集まり和気藹々楽しいお喋りをしながらの夕食であった。そして今日は本番の法要、好天に恵まれ爽やかな初夏の風の吹き抜ける本堂で僧俗合わせて数十人がお詣りする中、無事勤め終わった。この寺の先住さんには雲水時代大変お世話になり、様々ご親切な指導を頂いた。今でもその頃のことを想い出し有り難いことだったと感謝している。お庫裡さんも来年は米寿に成られるという話しだったが矍鑠としておられ、お互いに手を握りあって、遥か30数年も前のことをあれこれと懐かしく想い出しお喋りをした。ご縁とは誠に不思議なものよ、巡り巡って1年前、私の弟子が直ぐ近くへ住職し、今、いろいろお世話になっている。有り難いことである。
2006年05月28日
宿忌(しゅくき)
俗に言うお逮夜、前晩の行事である。遠くは和歌山、静岡方面より来て下さる。僧堂創建開山の毎歳忌であるから、嘗てうちの道場で修行した連中が馳せ参じる。近々僧堂を引いた若い連中は作務着姿で庭掃除や料理作りの手伝いをしてくれる。尊いことである。例年は大汗掻いてのお経だが今年は小寒いくらいの陽気で楽だった。行事後の出斎(しゅっさい・食事)の折り、皆に昨日のドジの一件を話すと大笑いであった。睡眠中目が覚めるのは矢張り体調が良くない証拠ですと言われ、神経過敏症の私はこれで又寝られなくなってしまう。また今日は午前中、市博物館で茶道松尾流岐阜松蔭会総会があり、記念講演で学芸員の筧真理子女史の伊奈波神社縁起についての貴重は話を聞くことが出来た。立て板に水の如き解説に圧倒された。その道のエキスパートの凄さを感じた。
2006年05月27日
老いる
昨夜はいつもの通り10時半に就寝、いつもの通り午前3時に起床。トイレに行って、窓を全て開け放つ、内佛のお茶を下げ、よもぎ茶・ハトムギ茶を煎じ器にセット、昨日汲んできたばかりの名水、高賀水を電気ポットにセット、軒下の寒暖計を傍らの懐中電灯で照らしながら見る、次ぎに掃除機を掛ける(此処までは気候が良くなってきたので下着のままでやる)。やおら着物を羽織り、タスキを掛けて洗面。法衣を着け袈裟を掛け念珠中啓を持って居室に正座、目薬(血も涙も無い目の治療、ドライアイ)日記に先程見た気温を書く。ここでゴ~ンと大鐘が鳴る。が・・・・・鳴らない。「バカ雲水が寝坊しやがって、この野郎め!」、ふっと、置き時計に目を遣る、11時半である。「電池切れだ、早速入れ替えておこう。」何気なくもう一つの置き時計に目を遣る。これも又11時半を差している。ピ~ンときた。まだ昨日の11時半だったのだ。袈裟をはずし、法衣を脱ぎ、着物も脱いで、窓を閉め、電気を消して寝る。ガ~ン!将来真っ暗、老い。
2006年05月26日
毎歳忌支度
28・29日の円照忌準備のため、昨日に引き続き生け垣の剪定、これは5月上旬既にやったのだが、この季節はあっという間に又新芽がぞろぞろ生えて来て、結局やり直しである。加えてこのところやたら風が強く吹くため庭は毎日掃いても元の木阿弥、いい加減嫌になる。お天気も下り坂午後からは小雨がぱらついてきたが片づくまでは止めるわけにも行かぬ。その他、幕を張ったり提灯を立てたりかがり火をセットしたりと大忙しの一日であった。しかし庭掃除も連日繰り返しやると綺麗さが違ってくる。箒目の立った土の美しさは格別な趣がある。4ケ所のつくばいも入念に洗い、澄んだ水が流れると一斉に小鳥たちが水浴びに殺到する。何処かの枝で掃除が終わるのを待っていたかのようだ。
2006年05月25日
忙中閑有り
しばらくご無沙汰しました。15日から1週間、半夏大接心(はんげおおぜっしん)その後も立て続けに仕事に忙殺され息つく暇もない日々。28・29日は僧堂創建の祖、円照禅師毎歳忌である。そのための諸準備で雲水は連日境内の掃除に追われている。昨日は野一色檀徒30人余り、庭掃除の奉仕に来てくれた。今年は雨が多く梅雨を思わせる天気模様、庭木の剪定や丸刈りの予定が大狂いである。そんな中でも体が鈍らぬようちょっと暇を見つけて岐阜城まで山登をしてきた。爽やかな初夏の風が吹き抜け気持ち良い汗を掻いた。寺に戻ると愛犬ハチは丁度夕食が終わったところ。私をめざとく見つけると足下にすり寄ってごろり横になった。これは背中を掻いて欲しいという合図である。毛の抜け替わる時期で掻いてやると気持ちよさそうに目を細め体をくねらせて喜ぶ。抜けた毛が風に吹かれて玉になって飛んでいった。
2006年05月13日
長良川鵜飼い
昨夜は思わぬお誘いを頂き開幕早々に鵜飼い見物をさせて貰った。鵜飼いと言えば長良川とばかり思っていたら日本全国様々な所でこの伝統漁法があることを最近知った。しかしそんな中でも全国的に有名なのが当地の鵜飼いであろう。2年ほど前、岐阜県の文化交流事業の一環としてドイツのミュンヘンとケルンでお茶や禅など様々な行事が催された。それが縁となり表千家の関係で、遙々ドイツから客が来たのである。この催しには私もいささかお手伝いをさせて頂いたので今回のお招きとなったのである。船の中では早速お手前が披露され美味しいお茶を一服頂くことが出来た。僅か数人という誠に小さな輪だが波紋が大きく広がってゆくように良いご縁に成ればいいな~と思いながら午後8時半お開きとなった。
2006年05月11日
川端龍子展
午前中は尼僧堂へ講座、早めの昼食を済ませ滋賀県立近代美術館へ川端龍子展を見に行ってきた。大正から昭和40年代に掛けて活躍された日本画家である。伝統的な日本画技法にとらわれず、「会場芸術」を提唱し奇抜な大作を次々に発表した。昭和34年に文化勲章を受章されている。うちの障壁画を描いて下さった土屋先生の父上の絵の師匠でもある。能を題材にした「小鍛冶」が一番良かった。常設展も見てきた。小倉遊亀の作品が幾つか展示されていた。品格の高さが良い。夜は達磨の色紙を10枚描く、これは明日ドイツから来る客に差し上げる積もり。明日も尼僧堂の講座があるからこれから下見である。
2006年05月09日
お礼参り
過日7回忌法要のお礼参りに旧知の和尚さん二人がやってきた。車で4時間も掛けてわざわざお越し頂いた。近くで会食の席を設けた。久しぶりに関東方面の和尚さん方とも話しをしたいと思ったことと、遠方よりお出かけ頂いたので少しでも労いたいと思ったからである。そこで話題になったのはお寺でも箱根山を境に東西に気風の違いがあると言うことだった。それは寺を支えている壇信徒の気風の違いに通ずる。嘗て四国生まれの建長寺管長猊下はしばしば「私にはこの関東のざっくばらんな気風があっています。」と仰っておられた。私は元々関東の生まれなのだが、40数年間、京都・岐阜・鎌倉と転々と移り住み、妙とこの岐阜が一番馴染んだ。「住めば都」とはこういう事を言うのかも知れない。それは土地と肌合いがしっくりいっていることと、その土地で展開する様々な人とのご縁の広がりによるものなのだろう。
2006年05月06日
ゴールデンウイーク
ゴールデンウイークも後半に成ったが、今年は特別な思いがある。お坊さんになって40数年振りに気持ちだけだが世間の人と同じ気分を味わったからだ。僧堂は5月1日から入制大接心となり、この期間は夏修行の始まりでもある。目の色変えて頑張る時で、浮かれている場合ではないのだ。今年からは半月繰り上げて4月15日から大接心を設けた。で、一転、世間様同様のゴールデンウイークと相成った。と言っても特別変わったことは何も無く、通常の修行が続いてるだけだが、不思議に気分はゆったりする。午後から岐阜駅ハートフルスクエアーで言志四録の講義を聴きに行く。把針灸治だから夜は随座(ずいざ・坐禅を組まずに休憩出来る)。益々気分はリラックスである。
2006年05月02日
スケッチ
冬の間は寒くてとてもスケッチへ出掛けることは出来なかったが、このところぽかぽか陽気になってきたので午後から知人と二人で長良川の小瀬と言う所へ出かけた。日差しは強かったのだが猛烈な風でイーゼルも吹っ飛ばされるほど、大きな石を吊して頑張った。絵の具は透明水彩を使っているのだが、色の置き方が難しい。ちょっと塗っては2メートルほど離れて眺め又塗ると言う作業を繰り返す。これでは面倒なので私が2メートル後方より指示をし、そこはもうちょっと濃い色でなどと言いながら効率よく仕上げた。出来はイマイチだが、あっという間の2時間であった。絵を描く時ほど無心になれることはない。小さな子でも直ぐ絵を描くが、あれと一緒で大人になってもへたっぴーはへたっぴー成りに心地よい一時であった。
2006年05月01日
把針灸治
昨日は月末の把針灸治、午前は習字、午後はフィトネスクラブで水泳、その後N整体治療院でボキボキとやって貰って帰ってきた。夜は白衣のほころび修理、漸く完成したので着てみたら、裾を表裏縫い込んでしまい失敗、こういうやり直しくらい腹の立つことはない。日曜夜はNHK「功名が辻」を見るのが楽しみ。毎日必死になって生きていた時代の純な心情が伝わってくる。戦国乱世は決して良い時代とは言えないわけだが、何故か人間的には品格が高いのはどういう訳だろうか。平和で豊かな現代人の薄っぺらさに辟易しているから、このドラマを見ていると救われる気がする。