2006年09月20日
絵に描いた餅
毎月2回の般若会で25分間、必ず何か話しをしなければならないというのは結構苦痛である。聴衆は20年間殆ど同じだから、手を替え品を替え、毎回悪戦苦闘である。で、次回の話しを少々。絵に描いた餅と言う表現がある。これは絵に描いた餅では腹は膨れんと言うことで、現実的価値を持たない意味でよく使われる。しかし日本人はどうも絵に描いた餅を過小評価する傾向がある。例えば学問の世界で細かい発明や改良では俄然才能を発揮するが、基礎的な理論研究となると、ノーベル賞級の学者は欧米に比べて少ない。自分の心の中に絵が存在し、その絵に向かって活動していた事実、その行為に駆り立てた原動力、そこに価値を見出してゆくことは出来ないだろうか。「夢を生きる」人間が少なくなってきた今日、目先の餅ばかりに目を奪われず、百年の大計に生きたいものである。
投稿者 zuiryo : 2006年09月20日 20:58