2007年03月29日
安野光雅展
以前より好きだった安野光雅の個展が名古屋のデパートで開催されたので見に行ってきた。津和野やヨーロッパの田園風景画が専らと思っていたので、全くそうではなかったのには、先ず驚かされた。「ABCの本」にあったあんパンの微細画。本当のあんパン以上に本物だ。「旅の絵本」では沢山の家とわんさか人が描き込まれている。瓦1枚1枚に至るまで疎かにしない根気、脱帽である。私も多少草花を描くが、いや~、つくし・れんげ・ほたるぶくろ・どくだみ等々、の雰囲気の良いこと、よくぞここまで描くものだ。その外、「絵本、平家物語」など、目から鱗の一日だった。こういうしっかりした線が引けて初めて、単純化された美しい田園風景が描けるのだと言うことが良く分かった。その時ふっと修行のことを思った。徹底してどん坐る地道な修行の蓄積があるからこそ、遊戯三昧(ゆげざんまい)の妙味が出てくるのだ。何事も基礎が大事と言うことである。
投稿者 zuiryo : 2007年03月29日 21:03