2007年07月10日
蓋置(ふたおき)
1ケ月以上も前に知人からお茶に使う蓋置3ケに朱漆で花押を書いて欲しいと頼まれた。初めてのことでもあり、要領も解らないのでまず茶人に聞いた。ご親切に茶道具屋さんを介し漆・溶く油・筆3点セットを頂戴した。見本もお借りして準備万端整ったところで、緊張しながら書いてみると、自分で言うのも何だがまあまあの出来。後は乾燥するだけ。漆は湿気の多いところで乾かすと聞いたので、毎日風呂に入って、湯船の蓋を開けたままにして、もうもうたる湯気の中、しめ切った状態にして置いた。完璧である。何日かして漆の部分をちょっと触ってみるとまだ手に付く。これはいかん、まだ湿気が足りないのだ、そう思ってますます連日風呂に入ってもうもうたる湯気の中に置いた。しばらくしてよ~く見ると、何と蓋置の切り口部分にびっしりとカビが生えているではないか。驚いて力任せにゴシゴシ拭いたが、ばっちりカビ跡が付いて取れないのだ。頭を抱えた。依頼主にそのことを報告し、お詫びをしたが、もう元には戻らない。昨日手紙が来て気長に乾かして下さいという優しいお言葉、慣れないことはやるもんじゃ~ないわ。
投稿者 zuiryo : 2007年07月10日 21:34