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2008年02月19日

親孝行

「親孝行したいときには親は無し」と言うから、自分だけはそう言う苦い思いをしないようにと思いながら誰も実際には出来ない。親子と言ってもそれぞれ所帯を持ち独立すれば、既に半分は他人だからである。何よりも大事なのは自分の處、余裕があれば少しぐらいは何とかいたしましょう、ということになる。よく師匠が、「右手に家内、左手に子供を持って、後どの手で人を救うのだ。」と言っていた。つまり人の為にしようと思うなら自分のことは全て捨て去れということである。しかしこれは至難のわざで、人間には誰でも自己防衛本能というのがあるからだ。「もの持たぬ袂は軽ろし夕涼み」、物質的な物も人のしがらみも全て捨てきれば、風船が軽やかに空中に舞うように、ふわふわ自由に漂いながら人生を送ることが出来る。そして必要なときには全力で人の為にすることが出来る。禅僧になって一番良かったのはこれです。

投稿者 zuiryo : 2008年02月19日 20:23

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