2008年04月11日
企業経営
今日はS製作所の会長さんがやってきた。昨年この会社を訪れた様子は既にブログに書いた通りである。初めてうちのお寺に来られたのである。そよそよと春風が吹き抜け、鶯が鳴き、開け放ったガラス戸から、新芽も鮮やかなもみじやドウダンが美しく映える心地よい日であった。「この雰囲気は昔の我が家を思いだして何とも懐かしい気分です。」と仰った。大垣の旧家に生まれ、当時高僧を招き座禅会を催し、提唱を聞いておられたそうだ。現在は大変業績の良い会社なのだが、「何か肝心なものが抜けている。」と危惧されている。その何かを、禅に求めて居られるのである。会社を人間と同じ生き物と考え、ただ物を作って売れればそれで良いというわけにはいかないと言うのである。一口に企業家と言っても、随分深いところで人間を見ていると言うことが良く解った。創業者だから一層、高い理念を以て末永い存続を願っているのである。そう言うところで悩み苦しんでいるこの会長さんの懐の深さがひしひしと伝わってきた。
投稿者 zuiryo : 2008年04月11日 20:57