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2008年04月13日
生涯現役
1年ぶりに、サンパウロのE氏ご夫妻とご親戚のT教授ご夫妻がお寺にやってきた。時折パソコンのメールで遣り取りはしているものの、矢張り面と向かってのお喋りが一番、四方山話に花が咲いた。少し小寒い春の風が吹き抜ける中、一緒に大衆禅堂で坐禅も組んだ。E氏は今年8月には満75歳になられるそうだ、相変わらず矍鑠として、農園経営・会社経営等、八面六臂の活躍で、一向に衰えた様子は見られない。勿論健康には人一倍気を使っておられるが、それにしてもこの元気さには頭が下がる。しかし年齢を考えると、今後何時まで農園経営を続けられるかが、目下一番の悩みで、話題はこの問題が中心になった。いっそ全て売り払って、日本に戻って、素晴らしい老人ホームは幾らでもあるから、ゆっくりされたら如何ですかと申し上げると、老人ばかりが集まっているようなところでは、私はとても暮らせませんと仰る。まだ世の中の為に出来ることは幾らであるから、生涯何事かし続けたいと言われた。前向きな話しを伺いながら、足腰が痛み出したから、もうぼつぼつ師家も限界かな、などと頭の隅をかすめていた私は、本当に恥ずかしくなってしまった。山田無文老師の般若心経講話を読んで、どうしても納得いかない部分があるので、そこのところを是非お聞かせ頂きたいと言われた。下手なお坊さんより、道を求める真摯な心構えに敬服させられた。
投稿者 zuiryo : 2008年04月13日 13:34