2008年06月09日
野心
物事を大成するには、先ず野心がなければいけない。それも真理の追究とか高尚なものへの欲望である必要はない。大金持ちになりたいとか、日本一の肩書きを手に入れたいとかと言う、下世話なものでも良い。この男は将来屹度大成するに違いないと思っていた者が、何十年後かに、何の変哲もない人間に成り下がってしまった例を何人も見ている。今にして思えば、矢張り野心が欠けていたのではないかと思われる。野心と言うと少し邪悪なにおいがするかも知れないが、そんなことはない。「想い出すようじゃ惚れよがにすい、想い出さずに忘れずに」、寝ても覚めても片時も離さず、ねばり強く食らいついて行く執着心こそ、野心の源泉である。ちょっと考えて思いつくようなものはどうせ皆同じように考えている。寄ってたかって考えても尚突破できないものだけが残る。そこを乗り越えて行くにはねちっこさが何より肝心である。しかも何年かかろうと決して落ち込まない、楽天的でなければならない。こう云う相矛盾した多面性を兼ね備えた者だけが大志を遂げるのである。
投稿者 zuiryo : 2008年06月09日 21:17