2008年10月03日
追憶集
昨日知人の寺より、2年前に遷化された和尚の追憶集が送られてきた。冒頭の文章に、「2年前父を亡くし、昨年弟まで逝ってしまった。・・・」と書いてあり、相次ぐ不幸に心が痛んだ。和尚は僧堂の先輩だったので、いささか縁もあり、少し思い出を綴った。私の他にも何人か書いておられ、中にはカトリックの神父さんも居られた。また在家の方々も30数人に及び、韓国からも寄せられていた。それぞれ和尚との生前の交友が懐かしく語られ、改めて彼の幅広い活躍が偲ばれた。若い血気盛んな頃は相当暴れ回って、数々の武勇伝を残した方だったが、晩年の豹変振りには驚かされた。私が伊深に通参していた頃、奥さんと小さな子供連れで大接心に参加され、これにも驚いたが、単なる変人ではなく、深く思うところがあって、敢えてそう言うかたちを取って居られたと言うことも、今回の追憶集で分かった。私が今死んでもこう云う文集は多分出来ないだろうと感じ、改めて人間の単純ではない、心の世界の深さを思いさらされた。
投稿者 zuiryo : 2008年10月03日 20:48