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2008年10月26日
追善供養
今日は或る茶人の追善供養が門弟達に依って催された。この方は岐阜では大変有名な人で、200人もの人が集まった。数年前、うちの寺でこの流派の大会があり、京都から家元も来られ、盛大な記念大会が催されたことがある。大会前日、平生ではなかなか拝見できない名器が展示され、多くの方々が見学に訪れた。私は茶道具については全く眼がないので余り感心がなかったのだが、是非にと言うので会場を訪れた。その折り今日追善供養されたご本人にばったり会った。かねてよりご高名は伺っていたので、挨拶し展示の茶道具類の解説をして頂いた。腰の低いなかなかの人格者とお見受けした。またその折り、お出入りの茶道具屋の主人にもあった。この方もなかなかの目利きで、今までにも随分教えて頂いた。実は今日の供養斎はその茶道具屋のご主人が中心になって計画されたものだったのだが、何と当日を迎えることなく急に亡くなられてしまったのである。人生の無常を感ずる。そこでその息子さんが親に代わって今日の式を進めることになったのだが、哀しいかなお茶の世界には全くの門外漢、すること成す事スカタンばかりである。お経中、私の面前を傍若無人に横切るは、回向中に会場の案内を始め出すはで、余りにも酷いので思わず怒鳴って注意した。折角の厳粛な法要もこの男一人のために台無しになってしまった。跡取りと言っても何の素養もなく、ただ欲だけでやるこらこう云うことになるのだ。お互い気を付けなければならないと感じた。
投稿者 zuiryo : 2008年10月26日 11:22