2008年12月23日
灯夜
僧堂では臘八後の灯夜は楽しみの一つである。普段は雁字搦めの規則ずくめで縛られているから、その反動で無礼講の灯夜は時に馬鹿騒ぎをして、踏み外すこともある。難行苦行が終わって直ぐに同じ禅堂で、今度は一転乱痴気騒ぎなのだから、その部分だけ見ると誤解されるおそれがある。こういうのは実際に僧堂で修行したものでなければ解らないことだ。近頃は昔と違って、馬鹿騒ぎはなくなってしまったが、我々の頃はいろいろあった。こういうのも時代の反映で、今は今流になるのも止むを得ない。把住と放行(ほうぎょう)、いずれも徹底してゆくのが修行者のやり方だ。「尺取り虫の屈するは伸びんがためなり」、どちらも馬鹿みたいにやり抜くのが肝心なのである。
投稿者 zuiryo : 2008年12月23日 21:22