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2008年12月26日

豊川稲荷

毎年26日は豊川稲荷参拝の日である。母は生前、このお稲荷さんを篤く信仰し、自宅の2階の隅っこにお稲荷さんを祀って、毎朝必ず拝んでいた。そんなわけで、一度は本社をお参りしたいと願っていたので、10数年前、母の手を引いてお参りしたことがある。その時、長年の念願が叶ったと言って大変喜んでいた。その後母も亡くなり、しばらくお参りも絶えていたのだが、近年ふと、あの喜んでいた母の顔を思い出し、爾来代わりに私がお参りし、お札を頂いては兄の処に届けて、その小さな社に納めて貰うようにしているのである。お正月前と言うことで境内は閑散としているが、それが却って良く、今年も有り難く参拝してきた。今日は岐阜でも粉雪が舞い、身を切るような北風が吹き抜け、寒波襲来であるが、豊川も同様寒風が吹いて、それは寒い日だった。ちょうど時間もお昼時なので門前の食堂に入って、稲荷寿司を食べた。土産物屋や食堂が軒を連ねているのだが、殆ど人通りもないため、し~んと静まりかえっている。只1件だけこの寒風の中80歳はゆうに超えているおばあさんが、入り口に佇み客を招き入れていた。私もそのおばあさんに引き寄せられるように店内に入った。その通りを歩いている人は殆どこのおばあさんに惹かれて店に入ってくるのである。商売熱心と言ってしまえばそれまでだが、このときふと母のことを思い出した。うちも商売屋だったから、このおばあさんと同じように、一日中駒ネズミのように働いていた。何だか食べた稲荷寿司まで特別美味しいような気がした。

投稿者 zuiryo : 2008年12月26日 16:58

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