2009年02月24日
第3回中国祖跡巡拝旅行
3年前からシリーズで始めた祖師方の足跡を訪ねる旅から、昨日帰ってきた。南の広州から順次北へ上がって、今回は成都・鄭州・石家荘・北京を巡った。特に達磨さんの少林寺の寒さは格別で、最終日の北京などは、肌に突き刺さるような寒気に震え上がった。今回の旅で印象に残ったのは、尼僧さんの溌剌とした姿だった。広大な敷地に、まだ小さな建物がわずかに建てられているだけだったが、将来は全伽藍を建設し、寺の再興を計る意気に燃えていた。完成予想の大きな絵図面が掲げられ、その資金調達の目途もほぼついたと言っていた。落慶の折りには案内を差し上げますから是非お出下さいと約束させられた。もう1ケ所,趙州の観音院の馬鹿でかいのにはビックリ仰天した。20年ほど前に訪れた時には、壊れ欠けた塔がぽつんと建っているだけで、周囲は草ぼうぼうの荒れ地だった。立派な祖師の居られたところが見捨てられている姿に呆然として帰った。その同じ場所が何万坪にも拡張され、天を衝くばかりの大伽藍が屹立していた。立派になって文句を言う筋合いはないが、以前建っていた塔は全く新たに作り替えられ、不必要なほどの大きな建物群は、いったい何のためなのかと思った。数日前寺と地域の人の間で衝突があり、鉄格子で入り口は閉められ、広大な敷地には人っ子一人居ない。我々も最初は中に入れて貰えない雰囲気だったが、何とか事情を話してお参りすることが出来た。これで寺と言えるのかと感じた。現在、中国の宗教事情は日本とは違うので、一概に善し悪しは言えぬが、佛作ってたましい入れずになっては、建築に要した莫大な金が無駄になるような気がした。
投稿者 zuiryo : 2009年02月24日 21:06