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2009年03月02日
ピアニスト
一昨日の夜、友人のコンサートホールでピアノ演奏を聴いた。経営する会社のメセナとして、こぢんまりしているが雰囲気の大変良いホールを造り、そこで絵画展やミニコンサートを定期的に開いている。音楽もジャズからクラシックまで多岐にわたり、家庭的雰囲気の中で聞くことが出来るのは、大ホールでの演奏会と違って、良いものだ。今回はフランスを中心に活躍されている女性のピアニストで、演目はメシアンの「鳥のカタログ」、前衛音楽である。全曲では3時間に及ぶそうだが、抜粋で約2時間の演奏だった。8曲演奏の前に、映像で「キバシガラス」とか、「イソヒヨドリ」が映し出され、それから始まる。凡そメロディーなど全く無視したものなので最初面食らったが、目を閉じて鳥をイメージすると、なかなかスケールの大きい曲で、途中句読点のような旋律もあって、面白かった。演奏終了後、市内へ場所を移して、ピアニストを囲んで夕食会が催され、私もお相伴にあずかった。1歳の時から欧州に渡り、爾来20数年間パリの音楽学校で腕を磨き今日に至っているそうだ。大和撫子の溌剌として世界を股に掛けて活躍されている様子は、伺っているだけでも圧倒される。しかし思うに、猛烈な努力の割には報われないのがクラシック関係の演奏者である。別に金儲けのためにやってるわけではなかろうが、例えば僧侶の報酬と比べると、努力と金銭が必ずしも一致していない。そんな心配の一切要らない人のする、贅沢な芸術なのかも知れないが、もっと報われても良いのにな~といつも思う。私の友人でピアニストが居る。小さい頃から知っている方なので、芸大を目指して毎日何時間もピアノを弾き続けていた頃のことを思い出し、その後の人生を考え合わせると、報われないな~と思う。だから、ろくな修行もせず、居眠り半分なお経で、あつかましくお布施を頂いて平気な顔をしているお坊さんは地獄行きだな~と思う。
投稿者 zuiryo : 2009年03月02日 10:41