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2009年03月04日
はた迷惑
年をとると誰でも少なからずはた迷惑をかけるものだ。そこで自ら悟って、或る年齢になったら、実際にはまだまだ元気ではた迷惑をかけていなくとも、一切外出は止めて引き籠もるタイプの人が居る。その反対に、既に相当はた迷惑をかけていてもいっこう気にせず、積極的に外出し、いろいろな会に顔を出したり、旅行に出かけたりするタイプの人もいる。さてこのどちらが良いのかと言うことになると、判断は一概につけられぬ。これは老人ばかりの問題ではない、若くとも、若さ故のはた迷惑と言うこともある。結局お互い持ちつ持たれつなのである。確かに前者のタイプなら、はた迷惑はないかも知れないが、一個の人間として生を全うするという点から見ると、余りにも消極的で狭い世界になりはしまいか。一切はた迷惑をかけずに生きること自体不可能なのだから。さりとて、周囲の人に世話をかけるのを当然のことのように振る舞われたのでは、周りは堪ったものではない。この辺の兼ね合いが誠に難しい。さて自分のことを考えると、我々のように定年のない仕事では、何時引退するかの判断は難しい。師家は現場監督だから、雲水と密接に関われなくなったら、そこが引き際かなと思っている。でなければ肝心な雲水が迷惑する。
投稿者 zuiryo : 2009年03月04日 20:19