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2009年03月10日

葬儀

今日は友人のT老師のご母堂さんが94歳で亡くなられ、その葬儀に出掛けた。彼とは年齢も一緒、師家に成ったのもほぼ同時、雲水時代お互い評席をしていた頃からの付き合いである。彼は養老のお寺出身で、お師匠さんは、我々の教区の所長をしておられたこともあって、随分お世話になった。それやこれやいろいろな縁で、今日の葬儀に招かれたという訳である。師匠が亡くなって独りぽっちになってしまった母親を、自分の寺近くに呼んで、爾来10数年親身にお世話していた。ふっと、雪峰禅師を思い出した。雪峰さんも自分の寺近くに母親を呼んで、親身にお世話されたという。禅僧は元来独りぽっち、文字通り出家なのだから、世俗の縁などないものなのだが、両親は別である。近年は殆ど自分を息子と認識することも出来なくなったと、ついこの間聞いたばかりだったが、良くぞ長い間お世話したものだ、頭が下がる。私も10数年前、93歳の母を亡くした。亡くなる2,3ケ月前までしゃきしゃき元気一杯だった。気丈な母で、自分の葬儀の段取りまで、私にいろいろ指示していた。面白かったのは、お通夜の話で、夕方お詣りに来る人はお腹がすいているから、近くの餅屋の豊月堂にお赤飯を頼むこと、その際色は余り真っ赤なご飯ににしないこと、少し抑えめがよい。「早速手金を打って置いた方が云いかね~どう思う?」「いくら準備万端怠りなくでも、それはちょっとやり過ぎじゃないの」「そうかね~、止めて置いた方が良いかい。」実際亡くなって通夜の時、お赤飯を出したかどうか、忘れてしまったが、T老師のお母さんも私の母も長寿だったので、遺影を見ている内に母を思い出し、胸が詰まる思いだった。

投稿者 zuiryo : 2009年03月10日 19:27

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