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2009年03月11日

ケア・ハウス

近頃まるでホテルのような豪華なケアハウスをコマーシャルで見る。広々とした庭園、ホテルのレストランのような食堂、更に温泉付きで、中では楽しいサークルが沢山あって、好きなことをして悠々自適の余生を送る。親に早く死んで貰いたいと思ったらこういう施設に入れるのが一番だ、と言っていた人がある。一見この世の極楽に見えるが、極楽ぐらい退屈なところはない。人間心の張りを失ったら、もう後はお迎えを待つのみである。そう言う空気の充満しているところでは、とても豊かな心で暮らせたものではない。ある人が、知り合いでそう言う施設に夫婦で入っている方を訪ねたそうだ。帰ってからの感想で、「儂はそんなところ真っ平だ!体の動く限り働いていたい。」と言っておられたが、当にその通りである。一般には極楽往生を願うが、苦しみが無くなったら人間生きてる甲斐はない。困難があるからそれを克服しようと努力し、生き甲斐もそこから生まれる。だから地獄が一番住み心地が良いのである。まっ、地獄ばかりで、全く極楽のない日々も堪らないが、苦楽は程良く混ざり合って、照る日曇る日、そう言う中で一生懸命に生きる姿こそ人間なのである。サラリーマンの場合は定年があるから働きたくとも働く場がないということもあるので、この辺が大変難しいが、しかし何事か社会の中で苦楽し続けることは大切である。人によって生き方の違いもあるので、道は一通りではない。兎も角緊張感を持続することが肝心だ。張りが無くなったら魂の抜け殻になってしまうではないか。

投稿者 zuiryo : 2009年03月11日 20:31

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