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2009年05月09日

認知症

認知症と言っても人間ではなく、愛犬ハチのことである。人間年齢でいけばゆうに80歳は超えているので、仕方がないことではあるが、万事ものぐさになって、私の顔を見ても上目使いに一瞥するだけで、表情一つ変えなくなってしまった。小さかった頃、ちぎれんばかりに尻尾を振って、飛びついてきた頃の事が妙に懐かしくなる。つい2,3日前もカンカン照りに日向ぼっこを長時間したため、脳貧血を起こしてぶっ倒れた。これで2回目である。幸い直ぐに回復したので大事には至らなかったが、これなども老齢化による体力の衰えが顕著に現れた例である。近くの公園に散歩に出掛けた折、丁度ベンチに腰掛けてパンを食べていた人を目敏く見つけ、欲しそうにじ~と見て動かないのだ。仕方がないから間に割っては入り通せんぼをしたところ、いきなり私の足に噛みついてきた。その形相たるや並尋常ではないのだ。よく酒乱の人の豹変にビックリさせられるが、ハチのは当に「食乱」で、食い物になるとあの優しいハチが、牙を剥き鼻にしわを寄せ目を三角にして、怒号と共に食い付き、「人格」が全く変わってしまうのだ。つまり老いの一徹というやつで、自己中心的で、食うか寝るかのどちらかになってしまった。そんなハチをじっと見ていたら、何だか自分のやがて行く道を見ているような気がしてきた。

投稿者 zuiryo : 2009年05月09日 17:01

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