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2009年05月18日

逝きし世の面影

渡辺京二著、中味の一部。英国の詩人エドウイン・アーノルドはあるスピーチで日本を、「地上で天国あるいは極楽に最も近づいている国だ。」さらに、「その景色は妖精のように優美で、その美術は絶妙であり、その神のようにやさしい性質はさらに美しく、その魅力的態度、その礼儀正しさは、謙譲ではあるが卑屈に堕することなく、精巧ではあるが飾ることもない。これこそ日本を、人生を生甲斐あらしめるほとんどすべてのことにおいて、あらゆる他国より一段と高い地位に置くものである。」とまあこんな風に続く。この時代日本を訪れた外国人の間では、女性に対する評価が非常に高い。服装も地味で、知性がありながら出しゃばったりせず静かに微笑んでいる。女性の外見を褒めているわけではなく、「彼女たちはけっして美しくはない」とも書いている。「陽気で純朴にして淑やか、生まれつき気品にあふれている」点が魅力的だったようです。下品な美人より愛嬌と気品のある不美人のほうが、どれだけ魅力的だったか知れないというわけである。ところでこれを読んで思うのは、現代の日本と余りにも違うことである。現代社会では、文明化とはどれだけ資本主義が進んでいるかであり、資本主義は競争原理に基づいているから、ゆったりとは相反する。利潤を上げるために効率を重視する。効率は時間だから、皆余裕を奪われ世知辛くなってしまう。限りなく欧米化することが果たして日本人の普遍的な幸福を増進する所以であるかどうか、はなはだ疑わしい。日本は嘗て金銭欲や物欲からもっとも遠く離れた国だった、云々とまだ続くが、ご一読をお勧めする。
ところでこの間まで、連日30度近くまで気温が上がり、まるで夏到来を思わせる日々だった。そこで思い切って、タンスの中味をすべて夏用に変えた、途端に小寒く成ったので、また総入れ替えだ。白衣も生地の薄手のものに変えた。あっちこっち綻びていたので、一日かかって把針、出来た~!と思ったら、自分の着ている白衣も一緒に縫い込んだため、もう一度やり直し。これらの苦労も全てぱ~。もうまったく、腹の立つ!

投稿者 zuiryo : 2009年05月18日 19:53

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