« ドック狂 | メイン | 全身汗したたる »

2009年08月07日

露の如く泡の如し

先日、知人の49日法要があった。生前は企業家として大活躍され、また、美術・音楽・芸術万般に渡って造詣が深く、また一方、運動大好き人間で、私とはいつもスポーツジムで顔を合わせていた。当日法要の前に、いつものスポーツジムへ出掛け、プールで一泳ぎしてきた。亡くなる2,3ケ月前、一時大変体調が良くなって、スポーツジムへも復活され、よくプールを歩いておられた。私が中央で泳ぎ、彼が周囲をぐるぐる歩いて、「なかなか力みの抜けた良い泳ぎ方だよ!」と褒めてくれた。その時のことを想い出すように、始めに中央で泳ぎ、それからプールの淵をぐるぐる歩いた。ふっと、目の前に知人の姿が幻のように浮かんだ。しかし次の瞬間、それは露の如く泡の如く消えて、後には何もなくなった。その時、金剛経の一節が頭をよぎった。『一切の有為法は夢、幻、泡、影の如く、露の如く、また雷の如し、まさにかくの如き観を作すべし』。ついこの間、私の目の前を歩いていた彼の姿はもうどこにも無い。人の命は実にはかなく、むなしいものだと、胸に迫るものがあった。人ごとではない、明日は我が身である。今日のように明日もあるなどと言う保証はどこにもないのだ。そう感じた瞬間、だから今日一日を後悔のないように、充実して生きなければ成らないと思った。毎日、今日一日だけなのだと思って、一種懸命生きよう。無念な思いで亡くなった知人の分まで、頑張って生を全うしなければならないと改めて胸に深く感じた。

投稿者 zuiryo : 2009年08月07日 08:56

コメント