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2009年10月09日

傘寿

このところ相次いで知り合いが傘寿、つまり80歳を元気で迎える。一人の方から御祝い返しに、「忍」の一字を四半折に10枚ほど書いて頂きたいと頼まれた。その時、できれば忍の字に繋げて少し言葉を書いて頂ければ尚有り難いのですがと言われた。そこでほぼ真ん中に「忍」を書き、左横に小さく「辱護真心」(にんにくはまごころをまもる)と書き添えた。これを依頼された和尚さんは嘗てうちの道場で修行され、開山忌と円照忌には、何があっても必ず前晩からこられ、未だ一度も欠席されたことがない、じつに宗盟心の篤い方である。長らく喘息を患い、決して頑健な身体ではないが、ついに傘寿を迎えられたのである。以前にも書いた通り、近頃は癌で亡くなられる知人友人が数多くいるが、そう言う中にあって、こうして元気に傘寿を迎えられたというのは、本当に素晴らしいことで心からお祝い申し上げたい。だからこの依頼も喜んで書かせて頂いた。人間何処に不幸が待ち受けているか分からない。健康の時には健康の有り難さは分からない。病気をして初めて何事もないことに感謝する。私もこの方のように、宗盟心を保って、元気で師家を努めたいと心から感じた。

投稿者 zuiryo : 2009年10月09日 20:55

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