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2010年02月03日

追儺

今年も2月3日、節分がやってきた。立春だというのに、午前中一時小雪が舞った。冷たい風が吹き抜け、明日は本格的雪になる模様。暖冬という気象庁の予報は見事に外れ、年末年始に大雪が降って、それ以降も度々雪が降り、また明日も雪のようだ。直前の空気の冷たさは格別で、昨日も東京からやって来た人が、岐阜は寒いですね~と言っていた。私も岐阜に来て28年になるので、寒さも暑さも相当慣れてきたつもりだが、今年はちょっと堪える。午後6時、僧堂の節分追儺会(ついなえ)が始まる。約40分間各部屋全てに豆を蒔き、鬼は外を叫びながら山門外へ鬼役の雲水を放り出す。その後、食堂(じきどう)で総茶礼、年の数だけ豆をすくい取って終わる。広辞苑によれば、この追儺は宮中行事の一つで、大晦日の夜、悪鬼を払い疫病を除く儀式なのだそうだ。舎人の鬼に扮装した者を、内裏の四門を巡って追い回す。大舎人長が方相氏の役を務め、黄金四つ目の仮面をかぶり、玄衣朱裳を着し、手に矛・盾を執った。これを大儺(だいな)といい、紺の布衣に緋の抹額(まっこう)をつけて大儺に従って駆け回る童子を小儺とよぶ。殿上人は桃の弓、葦の矢で鬼を射る。古く中国に始まり、日本には7世紀末、社寺・民間にも行われた。近世、民間では、節分の行事となる。「おにやらい」「なやらい」ともいう。こういう歴史のある伝統行事も、近頃では一般家庭で殆ど行われなくなってしまった。私は田舎育ちだから、小さい頃は夕方になるとあっちこっちから、「鬼は~外!福は~内!」という声が聞こえてきたものである。その頃のことが妙に懐かしくなる。

投稿者 zuiryo : 2010年02月03日 20:27

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