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2010年05月16日

夏みかん

昨日裏山歩きに出掛けようと隠寮の庭を通り過ぎると、椎の木に何羽もカラスが群れて、一斉に飛び立った。何事かとふと傍らを見ると、赤ん坊の頭ほどある大きな夏ミカンが少し食いちぎられた状態で転がっていた。うちの境内に夏みかんの木はないのだから、今飛び立ったカラスどもが何処からか運び込んだに違いない。再び夕方そこを通ると、夏みかんの中身は綺麗に舐めるように食べられていた。よくもあんな酸っぱいものを平気で食べるものだ。しかもあんなに大きな夏みかんどうくわえて運んだものか。確かにカラスの嘴は大きいし図体もでかいが、それにしてももの凄い力に驚かされた。さて今日も再び山歩きのためそこを通ると、又前より大きな夏みかんがごろんと転がっており、既に中身は綺麗に食べ尽くされていた。連日のこの有様、食糧事情が余程逼迫しているためなのか、急に酸っぱいものが食べたくなったのか、全く理解に苦しむ。まっ、うちとしては、中身の無くなった大きな夏みかんのボール状の殻を、片付けるだけだから、さしたる労力でもないが、雑食とは言え、変なカラスがいるものだ。髪はカラスの濡れ羽色というが、この間から度々の雨の中、びしょ濡れのカラスが庭にいたが、本当に艶々して綺麗な真っ黒だった。兎角嫌われ者のカラスだが、そぼ降る雨に情けないような姿のカラスを見ていると何となく同情してしまう。蕪村の有名なカラスの絵があるが、肩のラインに不思議な魅力を感ずる。そこで思うのは、だからあの悪魔の鳴き声、何とかならんものかと思うのである。

投稿者 zuiryo : 2010年05月16日 14:31

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