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2010年05月17日

雑草

さすが5月も半ばを過ぎると、ついこの間まで遅霜の心配をしていたのが嘘のように、今日は日中28度にもなった。これからお寺では雑草と戦いの日々となる。草を引いてやれやれ終わったと思ったら、最初のところには新たな草が生えているという具合で、にっくき雑草め!である。ところが今朝ラジオで雑草学者の話しを聴いて、認識を新たにした。一口に雑草と片付けられない、実に深い話しだった。現在地球上では砂漠化が重大な問題になっている。数年前エジプトを旅行したときも、道路に砂漠の砂が積もって、広い舗装道路がまるで田舎の小径のようになっていた。恐るべし砂の驚異である。又中国の所謂黄土高原から風に巻き上げられた黄砂が日本にまでやってきて、春風の強い日などはまるで霞が掛かったようになって、大変迷惑を蒙っている。そこで日本と現地の学者が共同研究をして、砂漠に生える草はないかと、世界中の2万種の草から20年間かかって選び、遂に発見したそうだ。この草を砂漠に生やして砂を押さえ込むというわけである。草を生やすのにかくも涙ぐましい努力をしているのである。こういう話を聞くと、引くそばからぞくぞくと生えてくる大地を持っている日本という国は、何と恵まれたところだろうかと思う。草1本生えないところは、土地も痩せて、作物を育てることも出来ないわけである。幾ら広大な国土を有していると言っても、広いだけで余り価値はない。以前中国内陸地を旅したことがあったが、耕して天に至の言葉通り、山のてっぺんまでモザイク模様のように畑が広がっていたが、灌漑設備があるわけでもなく、痩せこけたカラスムギが雑草のように生えているだけだった。山は鬱蒼と茂り、田畑も畦も緑に覆われている日本の恵まれた気候風土に改めて感謝した。だから雑草が生えてしょうがないなどと愚痴ばかり言っておらずに、大いに雑草にも感謝しようと思った。

投稿者 zuiryo : 2010年05月17日 15:40

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