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2010年06月11日

爪を剥がす

ハチに噛まれた親指の治療のため、毎日近所の外科へ通っている。初期の痛みは殆ど引いて、後は傷口の化膿が収まれば良いのだが、どうも爪の内側が少々化膿しているので、一部爪を剥がしましょうと言われた。ええっ!電線の被膜を引っぺがすのとよく似たペンチの小振りなのをやおら出して、「ちょっと痛いですが、念仏でも唱えておって下さい」だと。では、じょきじょき、イテテテテッ!目から星が飛び出て、瞼が痙攣した。爪を一部にせよ根本まで切り取るわけだから痛くないわけがない。というわけで、化膿止めや痛み止めの薬を貰って無事帰ってきた。親指が使えないと、日常生活は誠に不便で、朝顔を洗うことから、着替え、勤行の焼香、雑巾掛け等々、数え上げたら切りがないほど、実に困ることばかりである。ある人と話していたら、親指はそれだけで何かをしなくとも指全体に大いなる影響があるので、足の親指を手に移植した人があるそうだ。例えばコップで水を飲むにしても、親指で掴むわけではないが、親指が支えになって他の指が働く。一日も早く完治することを願うのみである。さて午後、5年後に計画している僧堂創建円照禅師二百年遠忌の相談会があった。いろいろ議論沸騰で良い会議が出来た。三人寄れば文殊の知恵と言うが、それぞれの立場からのご意見で大いに参考になった。私一代のうちに、二辺も大行事を主催できるというのは、本当に有り難いことで、感謝しなければならないと改めて思った。これも僧堂修行時代にいろいろな経験をさせて貰ったことが今生きている。だてに僧堂の飯を食っていたわけではないのだ。

投稿者 zuiryo : 2010年06月11日 15:59

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