2010年08月04日
百日紅
隠寮庭の隅、山際に百日紅の古木がある。どうも斜面に生えてあるせいか毎冬寒肥はしっかりやっているのだが、イマイチ花の付きが悪い。ところが今年はびっしり花が咲いて誠に美しい。禅寺の庭だから余り花の咲くものは植えてないのだが、はじっこであでやかな紅は炎暑の中、不思議にマッチしている。今日ラジオで言っていたが、このサルスベリ、幹がすべすべで、サルでも滑り落ちそうな感じからこう言うのだそうだが、サルは滑りそうなときはあらかじめ滑らない工夫をするそうで、落っこちることはないそうだ。ごもっともな話で、サルのみ成らず、人間だって危ないときはそれなりの方法を工夫するわけで、解ったようなわからない話であった。兎も角満開のさるすべりは庭の紅一点、見事で良い。百日咲き続けると言うが、これは確かなようで、しばらく楽しませて貰える。ところで先月15日以来随分長い間ブログをご無礼した。僧堂は7月で夏修行が終わり、8月から冬修行に入る。真夏に冬修行とはこれ如何にと思われるか知れないが、一年を二つに割って夏制・冬制、とするからこうなるのである。いずれにしても制末は締めくくりの諸行事が錯綜して大変忙しい。私の場合は尼僧堂もみているので、行事は全て二倍となり、さらに忙しさは増すというわけである。少々言い訳がましくなったが、そんなわけで何となく気持ちにゆとりがなく、ばたばた日を過ごしている間に、半月以上もお休みをしてしまった。五年後、僧堂を創建された隠山禅師の二百年遠忌があるため、その準備もぼつぼつ始まりだしたので、関連の仕事も増え、さらに忙しさが倍加した。十七年前、開山国師の五百年遠忌をやって、へとへとになりやれやれと思ったのも束の間、私一代の間に二度も大行事をすることになった。有り難いと言えば言えるが、誰か別の人にやってよ!と言いたい気持ちもある。ところがいざ話を進めて行くと、関係の方々は大変協力的で、本当に申し訳なく有り難いことと思っている。以上ブログ長期休暇の言い訳。毎度のことで気が引けるが、愛犬ハチは今年人間年齢で九十歳、ほぼ同年齢の親しい友達犬がこのところばたばた倒れる中、ハチだけは尚矍鑠として、散歩に拾い食いに溌剌として居る。ただ二,三日前から皮膚におできが出来て、医者に連れて行ったところである。毎度のことで、どうも夏になるといつもこうなのだ。さすが元気印のハチも日中は殆ど横になってずっと寝ている。ところが朝晩の散歩になると俄然勢いが出て来る。これはひとえに公園のおじさんからパンの切れ端を貰いたいためなのだ。この凄まじい食い気、ほとほと感心させられる。これがハチの命の源泉なのである。
投稿者 zuiryo : 2010年08月04日 19:27