2010年12月21日
断捨離
この間テレビで断捨離をテーマにした放送があった。近年何処の家庭でも物が溢れ、部屋中処分しきれないままに堆く積み上げられ、まるでゴミの山になっているそうだ。こうなると見るのも嫌になり、その部屋を「魔界」と言うそうである。私も一応戦前生まれだから、物の無い時代を知っている。学校で使うノートでさえまともな物はなく、ざらざらのわら半紙に、父が毎晩夜なべ仕事に四角いマスを定規で引いてくれて、国語の書き取りに使っていた。習字の稽古なども、半紙は貴重品なので、新聞紙を四つ切りにして持って行き、それで稽古したものである。万事この様な具合で、無い無いづくしだから本当に物は大切にした。ところが最近はその反対で、物が有りすぎて、瞬く間に部屋は物で溢れ、そこでこれを如何に捨てるかが大いに問題なのだというのがこの番組なのである。修行の頃、半年ごとの寮舎交代の時、雲水は大抵行李1つなのだが、年々荷物が増えて、段ボール箱にも入れて移動していると、高単さんから、「お前は妄想が多いな~!」と非難されたものである。心がスッキリしていれば、物は増えないというわけである。そこで断捨離が必要になってくる。これは単に不要な物を整理整頓すると言うだけではなく、同時に自分の心の整理をするのである。ところで私だが、居室は本で埋まっている。年間いろいろなところから頂く本や、自分で買い求めた物が堆く積み上げられている。さっさと読んで片付ければ良いのだが、目の前の事柄に追われているうちに、積もり積もって来るのである。今年はこの番組を契機に年末大掃除で、徹底的に片付けてやろうと決めた。そうして自分の心の中も大掃除しようと思っている。
投稿者 zuiryo : 2010年12月21日 21:30