2011年01月23日
ひま人
門前に超ひまな人が住んでいる。猫に牽き綱を着けて、毎日散歩している。散歩と言っても、犬と違って猫はそう歩くわけではなく、殆ど蹲っている。そこでこの人は蹲る猫の傍らでじっと立つ続けているというわけである。然もこの寒空の中。もう何年もこのスタイルは見慣れたから、我々は特別何とも思わなくなったが、考えてみればまか不思議な光景である。大体猫は犬と違って自由にそこら中を歩き回るもので、たとえ飼い猫でもほっておけば夕方にはちゃんと家に戻るものだ。猫が特別もの凄く珍しく高価なものだったら話は別だが、どう見てもこの猫、そこら中に幾らでも居る白黒模様のもの、然もご夫婦共にこれをやっている。今度機会があったらこの理由を聞いてみたいと思っている。次ぎに、最近は午後、葬儀場が幾つも集まっている一角へ散歩に出掛ける。ぐるり一回りしてくると約1時間、うっすら汗をかくほどで、丁度良い運動になる。その道筋一体で、老人が二人一組になって椅子に腰掛け首から筆記用紙をぶら下げ、交通量調査を行っている。今日も私が通りかかったら一斉に二人の老人が筆記用紙にメモをした。はっは~ん、これで私が一人分記録されたわけだ。それにしても実に暇な仕事である。何故かというと、この辺は大きな葬儀でもあれば車や人が往来するが、何もなければ閑散としていて、猫の子一匹通らないところ。こういう調査は大抵車の往来の激しいところでやるものだが、まっ、何か必要があってやっているのだろう。所在なげにじっと坐っている老人を見ていたら、日当は貰っているのだろうが、余りやりがいのある仕事ではないな~と思った。
投稿者 zuiryo : 2011年01月23日 16:00