2011年04月06日
天然酵母のパン
私も時々お粥の代わりにパンを食べることがある。専らスーパーで売っている大手製造のパンだったが、ある時、その手のモノは製造過程で相当化学薬品を使っていると言うことが解った。人によっては皮膚に湿疹が出来たりするそうで、そのパン製造機械をセールスしていた人が、一念発起天然酵母のパン作りを始めた。ささやかな個人営業で、初めは大変だったそうだが、徐々に良さが認められ、大繁盛していると言う話を聞いた。その技術を学ぶために世界中から弟子として入門する人が次々にやって来て、今では有名な人になったそうだ。そう言う話しには感化されやすい私は、そう言えばパン食後、どうも異常に胃がもたれ、消化不良に成ったような気がしだした。早速インターネットで岐阜市内の天然酵母を使っている手作りパン屋はないか検索した。有った!行ってみると、駅裏の今にも潰れそうな超古い家で、此処がパン屋かと見紛う店、しかし朝から長蛇の列なのだ。これには驚いた!4,5人も入ったら満員になるほど狭い店内は買い物客でごった返し、隣で目下盛んにパンを焼いている。出来次第店に持ってくるとそばから飛ぶように売れて行く。特に食パンと餡パンが有名らしく、一人で抱えるぐらい買って行く。袋に入れたときには熱くてさわれないくらいなのだ。商売もこれくらい繁盛したら嬉しいだろうな~などと思っていたら、肝心の自分の買い物が出来ないではないか。あれよあれよと言う間に欲しい物はなくなり、仕方がないから適当に目の前にあったのを買った。そこで次回からは作戦を立てて、混雑する時間帯は避け、夕方行ってみた。見事目論見は当たって、空き空き。目的の食パンが有ったので、いざ買おうという瞬間、前のご婦人がすっと手を伸ばして買ってしまった。目の前が真っ暗になった。そこで遠慮しながら売り子のお婆さんに、食パンはもう無いのですかと尋ねると、ちらっと私の僧衣姿を見て、奥から1ケ抱えて出てきて、どうぞと言ってくれた。美濃仏国と言われているが、さすが信心の篤い美濃地域は違う、秘蔵の1ケを特別に譲ってくれたのだ。どうも食パンは毎回買う人が決まっていて、殆ど予約制らしい。この時ほど法衣の威力を感じたときはなかった。どうも食い物の話しで恐縮だが、このパン、味も食感も他のモノとは全然違う。矢張りパンは天然酵母にかぎる。
投稿者 zuiryo : 2011年04月06日 10:41