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2011年07月18日

すべてのものは無

あらゆる物質は分子によって構成されている。例えば水の分子はH(水素)2個と0(酸素)1個の原子が結合して出来ている。原子とはもともとこれ以上分割できないものを意味するのだが、実はさらに分割でき、原子の中心の原子核とその周りを回る幾つかの電子で成り立っている。原子核をさらに分解して行くと陽子と中性子になる。と言うことはあらゆる物質は陽子・中性子・電子の3種類の粒子で構成されている。この陽子・中性子・電子を総称して素粒子という。その素粒子もミクロ世界の終点ではなく、陽子と中性子は、それぞれ3つのクオークで構成されている。このクオークの実体は波動エネルギーそのものだと言う。これが現代物理学が追究してきた物質の究極の姿である。これはどういう事かと言えば、つまりエネルギーには形はないということである。形のないものを無とすれば、あらゆる物質は無から生じたと言える。まさに、般若心経で言う、「色即是空、空即是色」なのである。さて人間だが、細胞を顕微鏡でのぞくと、毛糸の絡まり合ったような染色体が見える。染色体はタンパク質とDNAから出来ている。染色体を1本取りだしタンパク質を除いて水に浮かべると切れ目ない細くて長い繊維のようなものになる。これがDNAの分子で、長さは180センチ、是が人体の60兆個ある細胞の中にたたみ込まれている。一人の人間のもつDNA全体の長さは、60兆×180センチだから、約1080億キロメートル、光が走って5日もかかる。DNAは家の設計図、タンパク質は家の建築材料にあたる。この様に生物の遺伝情報は設計図であるDNAに全て書き込まれている。生きとし生けるもの全ての設計図はわずか4つの文字、アデニン・チミン・グアニン・シトシンと言う4つの遺伝文字(塩基)で書かれている。人間もブタもサクラも、その他あらゆる生物は基本的には構造が全く同じなのである。当に全ての生物の生命は根源に於いてただ一つなのだ。今日の分子生物学ではそればかりかあらゆる生物はこの4つの共通遺伝文字を通じて相互に関連し合い、助け合って生かされている事も明らかにしている。どの生物も他の生物なしでは生きてゆけないのだ。生あるものは4つの遺伝情報で繋がっていて、相依相関の関係にあり、自分だけで生きている生物は何一つない。当に仏教で言う「諸法無我」である。動物も虫も草や木も、命の根源に於いて皆深い絆で結ばれている兄弟なのである。以上は岸根卓郎著、「見えない世界を超えて」より引用させて頂いたのだが、現代科学の最先端を見て行くと、全て仏教に話しが繋がっていることが解る。

投稿者 zuiryo : 2011年07月18日 10:14

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