2011年09月28日
山ガール
今、女性の登山が盛んらしい。私も還暦頃までは毎年8月制間になると1泊2日、雲水を引き連れて必ず登山に出掛けた。上っている最中は何でこんな苦しい思いをしなければならないかと後悔するのだが、ふと傍らに咲く可憐な高山植物を見たり、一休みした時一陣の涼風が吹き抜ける時、疲れも後悔も一辺に吹き飛ぶ。特に距離的にも登山の難易度も、我々素人に丁度良いのが御嶽さんなので、この山には数え切れないほど登った。人によると次々に初めての山に挑戦するタイプもあるようだが、私の場合は余りそう言うのは興味が無く、兎も角山登りできればそれでOKだった。ところが近年、膝や足腰全般が急に弱ってきたので、ついに断念した。知人の奥さんで山ガールがいる。もうお孫さんもいるという年齢にも拘わらず、登山への情熱は一向に衰えることなく今尚挑戦し続けている。つい最近も燕岳へ登りへろへろになったと聞いたのでもうこれっきりかと思いきや、またぞろ穂高に行くという。山ガールの典型のような人だ。姪っ子もその類で、私はアイアンウーマンです!だと。富士山登山に至っては5合目から2時間半で登り切るというのだから、確かに鉄の女である。物足りないから富士山を連続2回登りたいなどとほざいている。まっ、山の醍醐味を知らない私ではないが、常に危険と隣り合わせが登山だから、いつも気を付けるように口を酸っぱくして言っている。どうしてこうも女性の登山熱が盛んなのだろうか。登山は何時間も登り続けなければならないわけだから、持久力が要る。一辺に重い物を持ち上げる力仕事と違って、じんわりと負荷の掛かるのに堪える力は、女性の方があるのかも知れない。聞くところに依れば、山ガールのファッションも大変なものだそうで、お互い競い合い火花を散らしているという。我々から見れば笑っちゃうわけだが、まっ、目くじら立てて言うほどのことでもない。三千メートル級の山頂からご来光を拝むと、人間界とは別世界の、神の領域だと感じる。
投稿者 zuiryo : 2011年09月28日 10:07