2011年11月13日
カラスの焼き鳥
全国各地でカラスの被害は深刻で、岐阜でも市内至る所生ゴミ袋を食い破り、あたり一面にまき散らし、不潔なことと云ったらない。近くが柳ガ瀬の繁華街で、食べ物屋が多いから、出てくる生ゴミも多く、早朝散歩をしていると、群がるカラスの大群に圧倒され、こちらが避けて通るほどである。また電線にとまって夜を過ごすので、その下は糞だらけ、以前散歩中頭にビチャッ!とカラスに糞をかけられたことがあり、その時は銃殺刑に処してやろうとさえ思った。そんな折、先日新聞に、長野県のシェフがこのにっくき困りもののカラスの肉を使ってフランス料理を考案したと掲載されていた。しかもカラスの肉は鶏の砂肝のような食感で、なかなか美味のようである。古いフランス料理本にも、<カラス肉は意外に高級食材のシギなどと共に大変美味>と記述されているそうだ。実際に食してみると、鳥では味わえないしっかりしたかみごたえに、適度なうまみもあって、確かに美味だそうだ。ランチコースとして前菜などを含め6300円で、「赤ワインによく合う」「一度味わうとやみつきになる」と反応は上々、リピーターも多いという。以前友人で猪や鹿などの、いわゆるジビエを食する会を設けておられて、何回かご馳走になったことがあった。猪のあばら骨を焼いて粗塩をぶっかけたのは特に美味、その外鹿の脾臓の生をごま油に浸して食べると、思わずうなるほどの旨さである。あまり詳しく書くと、「ま~!禅僧が何ということを!」と叱られそうなのでこの辺で止めて置くが、野生の獣は処理が上手になされていれば、意外と臭みもなく食感もよく、味が濃い感じで美味しいものである。さてくだんのカラスだが、農業被害も甚大で、このまま放置できない深刻な状況らしい。だから今回のシェフの料理は大変注目を集めているそうだ。ただ、カラスの難点はイメージである。そこは『山ガラス』などと名付けて改善させ、一般に広めたいと意気込んでいるそうだ。実は山国の信州では終戦直後の食糧難の時代頃まで、カラスの肉を食べる習慣があったそうで、冬場のタンパク源として、すり潰しておからと混ぜ、みそを塗って焼く田楽料理にして食べていた。石原都知事もカラス退治の一環として、「東京名物カラス肉のパイを作ろうと思う」と発言した。私は焼き鳥にしてもいけるのではないかと思った。ふと目の前の電線にとまっている美味しそうなカラスを眺めていたら、羽の艶といい、肥った体格といい、一羽で二人前はいけるな~、などと、思わず唾を飲み込んだ。
投稿者 zuiryo : 2011年11月13日 09:18