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2011年11月23日

その後の野良クロ

以前、ハチ亡き後、脅威が失せて俄然厚かましくなってきたということについては書いたので、ご記憶の方もあると思う。たとえば外出しようと玄関に向かってすたすた歩いているとき、ふと気配を感じて振り返ったら、まるで住人のような態度で後からひょいひょい付いてきていたり、台所の嘗てのハチのエリアである板の間に長々寝そべっていたりと、そのふてぶてしい態度には頭に来た。「この野郎め!」と思った。が、このところ態度を一変させて、何とも悲しげな眼をして、「嗚呼~、お腹がすいて目がくらくらする~」と言わんばかりに台所近くにやってきてうずくまっている。側を通ると、「にゃ~ごにゃ~ご」と、又その悲しげで愛らしい鳴き声と言ったらないのだ。思わず、「クロ、お前お腹がすいてるのか~?」と問いかけてしまう。するとさらに可愛らしく、アルトで「にゃ~ご」となく。ハチを失って早や1年と2ヶ月が過ぎ、心の痛手もようやく癒えつつある時期、元来動物好きの私は、この野良クロの鳴き声には近頃正直参っているのだ。心なしか態度物腰も以前とは違い、真っ黒けだから分かりにくいのだが、よく見ると結構可愛らしい。つい、「ちょっちょっ!」と優しく手をさしのべてしまう。勿論こちらがいくら親愛の情を示しても、そこは野良、決して近づいて来るわけではないが、さりとて逃げるわけでもなく、「クロ!」と呼びかけると、それに反応して、「にゃ~ご!」と答えるのだ。この間ついにキャットフードを与えてしまった。美味しそうにかぶりつくように食べている。不味い!これはまずい、こんなことが続けば結局飼うことになる。さりとて足蹴にしたり石を投げつけたりなど、とても出来ない。葛藤の日々である。

投稿者 zuiryo : 2011年11月23日 11:05

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