2012年01月08日
水~!
年末に掛けて何人かの方から鉢植えの花を頂いた。寒牡丹・シクラメン・シンビジューム等々、私には勿体ないような豪華な花々である。ところが私は花類は全く駄目!今までにもずいぶん頂いてきたが、どれも生き生きしていたのがしょぼくれてついには全部しなだれて息も絶え絶えという風になる。私としてはそれ相応に陽に当てたり水をやったりとこまめに世話をしている積もりなのだが駄目なのだ。これでは贈って下さった人に申し訳ないと思い、最近はもっぱら雲水に世話を頼んでいる。中には花の好きなのもいてそれなりに世話をしてくれていたのだが、このところめっきり花好きはいなくなり、シクラメンが全部しなだれてペッタンコになってしまった。どう見ても弱ってる様子で、「お~い、シクラメンが全員眠ったから、水でもやった方が良いんじゃないか!」すでに半死状態のは引き抜いて何とか生き延びたのを残した。暫くすると元気にピンと立ってきた。つまり、{水~!」と言うシクラメンの叫びが聞こえていないのだ。昔鎌倉に住職していた頃、台所のお手伝いをしてくれたおばさんに、大変花好きの方がいて、鉢植えをほったらかして置くと、「綺麗な花をありがとうね!」と花に話しかけながら水をやったり肥料を施したりしていた。へんなおばさんだな~と、当時は若気の至りで何も分からず思っていた。「花に話しかけるとちゃんと答えてくれるのよ。」と言っていたが、今にして思えばその通りで、別に変なおばさんではなかったのだ。動物も同様で、ものは言わないがこちらの心はちゃんと理解している。口答えしないだけ、却って人間より花や動物の方がましだと思うことがある。愛情を注げばちゃんとその分返してくれるのだから。真っ赤な寒牡丹の蕾が3つふくらみ始めた。シンビジュームも元気に咲き誇っている。しなだれたシクラメンも生き残ったのが頑張って綺麗な花を咲かせてくれている。花は寒いからと言って勝手に歩いて日向ぼっこは出来ない。花の声なき声に耳を澄ませて、どうして欲しいのか聞かなくては成らないのだ。
投稿者 zuiryo : 2012年01月08日 21:05