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2012年03月17日

光陽会

第1と第3の日曜日、定期的座禅会が開催される。3代前から続いているもので、私も住職するとすぐ後を引き継いで爾来30年続けている。参加者は平均20名ほど、門前辺の人たちが参加と思うとさにあらずで、意外と遠方の人が多い。名古屋・大垣・各務原など、車で30分以上はかかる距離である。早朝午前6時から坐禅が始まるわけだから、そう言う方々は起きるのは5時というようなわけで、せっかくの日曜日もご苦労なことである。この坐禅会に最近東京や福岡、金沢などから参加する人が出てきた。前晩岐阜入りしてホテルに泊まり、翌早朝抜け出して坐禅会に参加し、再びホテルに戻ってから帰るというコースらしい。もう2年以上このパターンが続いている。嘗て岐阜在住の老婦人が毎月東京で開催されていた円覚寺朝比奈宗源老師の坐禅会に永年通われたことがあった。この方はうちの光陽会の会員でもあったので、両方の坐禅会に参加されていたわけで、非常に熱心な方だった。ある時建長寺の行事で当時円覚寺管長だった足立大進老師と隣の席に成ったとき、この岐阜の老婦人のことが話題に登り、その真面目ぶりにほとほと感心しておられた。こういう方々は現地に到着するまでの道中も心の中で坐禅をくんでいる心境なのだろうか。それにしても時間も費用も馬鹿にならないと思うが、遠路やって来てもそれに見合うだけの得るものがあるのだろうかと心配になる。坐禅の後45分間ほど碧巌録を講本にして話をさせて頂くのだが、こうも真面目組が押し寄せて来るとそれがプレッシャーになって、話にも思わず力が入る。修行させられるのはこっちの方である。

投稿者 zuiryo : 2012年03月17日 15:14

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