« 大晦日 | メイン | 今年の初雪 »

2013年01月02日

謹賀新年

何処かの誰かが私のブログ(毎度お粗末で軽薄な)を読んでいて下さる方々に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。今年は巳歳、12支の動物の中ではあまり好まれない動物で、この干支に生まれた方は何かと肩身の狭い思いをされているのでは無いかと同情する。私は馬ですから、そう言っちゃ~なんですが、割合と鼻が高い。まっ、そんな下世話な話は置いといて、姿形からイメージするのとは違って、お話に登場する蛇は結構いい話が多い。ところで毎年干支を色紙に描いてそれに相応しい賛を隅っこに書くのだが、相応しい禅語が無く苦労した。仕方ないので蛇の形状はざっと見れば紐のようでもあり棒のようでもある。そんな勝手なイメージから苦し紛れに適当なのを選んで書い。さてお正月を迎えるのにはどなたも大掃除をする。良くもこんなにガラクタが貯まるものだと我ながら感心する。そのために大汗掻かなくては成らないわけだが、言語社会学者、鈴木孝夫氏の、「人にはどれだけの物が必要か」と言う著書がある。その中の一部を引用させて頂く。『ロシアの田舎にパホームと言う貧しい小作人が居た。ためたお金で小さな土地を買うと、暮らし向きが良くなった。近隣との境界争いに嫌気がさして広い土地を買うと、暮らし向きは更に良くなったが、慣れるとまだ狭いと感じた。「良く肥えた土地をいくらでも安く買える」という評判を聞いて辺境の地バシルキールへ出向くと、村長が言った。「一日歩いただけの土地を1000ルーブルで譲りましょう。ただし、日没までに戻れなければダメです」パホームは時を忘れて遠くまで歩き、刻限に気が付いて半狂乱で帰着するなり、血を吐いて死んだ。下男が穴を掘って彼を埋めた。きっかりその穴の大きさだけの土地が、彼に必要な土地のすべてだった』。地球資源は有限である。使い捨て型の消費慣行がはびこれば森は枯れて文明は滅びる。買わずに拾い捨てずに直すべきである。ところが著者が散歩中ゴミを拾っていると、区の資源ゴミ持ち去り禁止条例ができてそれも出来なくなった。市に尋ねるとゴミの中に含まれる個人情報の流出とゴミ回収業者の利害が背景にあるという。現実は理想の逆へ動いているのである。高度経済成長は日本に繁栄をもたらし、自然を奪った。数字しか見ない経済再生か、地球を守る経済再生か、そこが問われている。

投稿者 zuiryo : 2013年01月02日 09:53

コメント