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2013年02月22日

ことばの力

いつも日曜座禅会に参加している友人が友達を連れてきた。坐禅後お目に掛かり話を聞くと、彼は気功の先生だという。いろいろ話を伺った中で、彼が一番強調したのはことばには力があると言うことだった。知人で最近肺がんに冒され、一応手術も成功しほっと安堵したのだが、常に再発の危険が伴うわけで、本当に安心というわけではない。そこで彼が指導したのは、無理せず深く静かに呼吸をすること、また毎日自らに向かって、「元気になる、元気になる」と声を出して言うことであった。これは又別の話だが、いつもお世話になっているマッサージ師さんからこんな話を聞いた。彼女がまだ若かった頃、三人の子供を連れて離婚した。子供の学区が変わるために子供の担任教師に挨拶に行くと、事情を察した先生がさらさらと紙に、「強く生きて下さい。一生懸命生きて下さい。」と書いて下さったそうだ。この言葉がその後の人生に大きな支えになったと言っていた。人は絶体絶命の窮地に陥って初めて自分の弱さはかなさを知る。こんな時、他人の同情や慰めは何のささえにも成らぬ。むしろ何も心配の要らぬ健康体の人に言われると、却って腹立たしくなるくらいだ。ぎりぎりのところで救ってくれるのは自分だ。ネガティブになって意気消沈の時、自らの力で奮い立たせるのは元気の良い声と自分自身の励ましである。言葉の力を支える杖にして頑張って生きて行くのである。何でこうも自分ばかり不幸な目に遭わなければならぬのだと天に向かって叫びたい気持ちだが、その力を内に向けて言葉の力で支えるのである。事実そうして頑張っている人を何人も見ている。百万の説法より優る。

投稿者 zuiryo : 2013年02月22日 09:29

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