2013年04月11日
津葬(しんそう)
今日知り合いの和尚さんの津葬に行ってきた。80歳は過ぎておられたので男の平均寿命はとうに越えて亡くなったので天寿を全うされたと言っていい。晩年は難病に冒され多少不自由な体だったが、前日まで檀家の葬式に出かけられたというのだから、まさかこんなに急に亡くなるとはお家族の方々も信じられないと言っていた。この方が寺に住職された頃は私は僧堂の雲水として修行中であった。我々雲水を大変可愛がって下さり、お寺に招かれてはよく台所で、「どやし」をやってくれた。和尚さんと車座になってざっくばらんにご馳走になった。年がら年中腹を空かしている雲水にとっては何より有り難く、このご厚情は今でも忘れない。和尚さんの寺の開山様はうちの開山様の弟子という関係で今日の葬儀の導師を頼まれたわけだが、奇しくも巡り巡ってお世話になった和尚さんを送ることになったのだから、不思議な縁である。思わず声にも力が入った。そこのお寺の後を継がれご子息さんの奥さんは、お寺の娘さんで、かつて私がお世話している尼僧堂で修行していたことがあり、これもまた不思議な縁である。聡明な娘で、このままずっと修行してくれたら良いのにな~と思ったが、そうはならず今はお寺の奥さんとして住職を助けている。元気で可愛らしい子供の手を引いている姿は微笑ましく、こういう姿を見るのも良いもんだと思った。かつて私が飼っていた愛犬ハチをとても可愛がってくれて、荷担に来るとぎゅ~っとハチを抱きしめて、「癒やし犬!」といっていた。永暫のときハチを色紙に描いてプレゼントした。そんなことをふと思い出した。
投稿者 zuiryo : 2013年04月11日 20:07