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2013年05月05日

山歩き

午後久しぶりに裏山歩きをした。鬱蒼とした木立に覆われた山道は新緑が目に染みるようだ。5月というのに小寒い日が続いていたが、今日はぽかぽか陽気風も心地よかった。山道沿いに何本も桜の木が植えられているのだが、勿論花はとっくに散っているが、大半の木が枯れて哀れな状態になっていたのには驚かされた。これらの桜は或る老人が一人でせっせと植林して桜並木を作ったのである。数年前に亡くなったが、頑固一徹、結構強引な人だった。邪魔になる回りの大木は根元の表皮をぐるりはぎ取り次々に枯らしてしまい、市役所の人もこれには参ったな~と言っていた。保安林に指定されている山なので勝手な植林自体禁じられているのだが、そんなことには耳を貸さないばかりか、梅雨時桜に虫が付くから消毒しろとねじ込んで来る始末。何せ山奥のことだから消毒と言っても麓から長いホースを繋がなければならず、これだけでも大変な労力だった。問題老人が亡くなってさぞほっとしているに違いない。岐阜の山を桜で一杯にすると言うこと自体は悪いことではない気もするが、地形や土地が桜に適していないため労多くして功少なしであった。老人はどれほどの労力を注いだかしれないが、死後あっという間に枯れ木の山では、あれは一体何だったのかと思う。老後の唯一の生きがいだったから、楽しみでやっていたのだろうが、どこかが間違っていたのではないかと思う。今や桜の枯れ木が延々と続く山道を歩きながら考え込んでしまった。

投稿者 zuiryo : 2013年05月05日 20:42

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