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2014年01月13日

知的好奇心

大変親しくさせて頂いていた和尚さんが亡くなられ葬儀に出掛けてきた。私より5才上で、随分あっちこっち奥さん共々旅行にご一緒させて頂いた。多趣味な方で、蘭の栽培・天体観測・語学の勉強等々、私が知っているだけでも実に多方面に興味をお持ちで、いつも感心させられた。中国へ祖跡巡拝旅行中バスの移動で夜高速道路を走っていたら、突然「あそこを見て下さい!」と言う。真っ暗闇の空、指さす方向にきらきら輝く物体、「あれは宇宙船です!」と言うではないか。「よく和尚さんはそれが解りましたね」と言うと、旅行に出立する前から、宇宙船の動きを調べ、この場所でこの時刻ならあの位置に宇宙船が見えるはずと解っていたのだという。以前ハレー彗星大接近の時も、真夜中遠くまで子供を連れて見に出掛けたと言っておられた。まあ星の話一つにしても本当に詳しいのには驚かされた。旅行中中国語の本を片手に現地の人に話しかけていた。NHKラジオ中国語講座でもう何年も勉強しているのだそうだ。かくの如く好奇心はあらゆる分野に及んでいるのだから驚きである。大きなカメラを常に携帯され、ぱちぱち撮っていた。この写真の出来映えがまた素晴らしく、一回旅行が終わると膨大な数の写真をアルバムにされていた。また奥さんも実に良きパートナーで、名コンビだった。もう一緒に旅行出来ないのかと思ったら、無性に寂しくなった。お棺の中に静かに眠る尊顔を拝したら、仏さんのような良い顔をしておられた。止めどもなく涙が流れた。門送のとき北風がびゅ~びゅ~と吹き、心の奥まで冷たくなった。

投稿者 zuiryo : 2014年01月13日 15:14

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