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2014年02月21日

習字

もう30年以上も前のことだが、瑞龍寺に入って間もなく、知人から墨跡を依頼された。人様に自分の書いたものを貰ってもらう事など生まれて初めてのことだった。印は鎌倉を出るとき仲間から頂いた上等のものがあったが、書くのは初めてで大変困った。それでも何とか禅語を書いてみたのだが、それが酷いのなんのって、我ながらあきれかえった。それからある人の紹介で高名な書道家について書の稽古を続けて32年になる。最初の頃から比べれば大分見られるようになたが、漸く入れば漸く深しで、何年やっても満足と言うことはない。それは目の方が先に進むからなのだそうで、これは一生続くのだそうだ。腕はイマイチだが一つだけ学んだことがある。それは書に対して決して高慢にならないことである。今年も日展で素晴らしい書を沢山拝見させて頂いたが、やはり究極の處は書く人の人格だろうと思った。書は人なりと言うが、もろに人間性が現れる。昔の禅僧の墨跡を見ながら、この人はこういう人なのかと想像を巡らしている。

投稿者 zuiryo : 2014年02月21日 20:30

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