2014年02月24日
興福寺の仏頭
良い天気だったので奈良興福寺の仏頭を拝顔に出掛けた。10数年ぶりである。興福寺国宝館に入って驚いたのは、中が立派にニューアルされていたことである。以前は仏像をまるで倉庫に並べてあるだけという感じだったのが、今回は展示の仕方から照明、解説文に至るまで、素晴らしい仏像にふさわしいしつらえになっていて、ぐっと格が上がった感じである。特に見たかったのは仏頭で、以前はコンクリートの床にただ置いてあるだけだったのが、今回見ると特別に安置されていた。これでこそあの仏頭にふさわしいと安堵した。以前とはとても同じ仏頭とは思えないほどで、なんだか顔そのものまで新しくなったのかと見間違うほどであった。大化の改新の蘇我入鹿暗殺事件、その後の石川麻呂の変、山田寺の復興等々、数々の歴史の大変革を見届けたこの仏頭は、そう思ってみると優しく微笑むがごとき顔がさらに深みを増して見える。同じ仏像も何も知らなかった頃見たのとはこうも違って見えるものかと改めて思い知らされた。折角奈良まで来たので大仏様・三月堂・二月堂・春日大社もお詣りしてきた。もう20数年も前、80過ぎていた母の手を引いて、これらのお寺をお詣りしたときのことが想い出され、懐かしさで一杯になった。いろいろ思うことがあった奈良だった。
投稿者 zuiryo : 2014年02月24日 04:41