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2014年07月09日
汝は汝が食するところのものなり
英語に、You are what you eat.と言う表現がある。この言葉のかたわらに、豚の絵が描かれた板絵が土産物屋に並んでいる。これは実に含蓄の深い言葉で、人間のあらゆる側面で、これと同じ事が言える。人間の肉体は結局、その人が過去に食べたもので構成されているように、人間の知性は、その人の脳が過去に食べた知的食物によって構成されているのであり、人間の感性は、その人のハートが過去に食べた感性の食物によって構成されているのである。つまり全てのひとの現在は、結局その人の過去の経験の集大成としてある。その人が読んだり見たり聞いたりして、考え感じた全てのことが、その人の本質的な現存在を構成する。日常性に支配されパターン化された行動の繰り返しからは、新しいものは何も生まれてこない。旅は日常性からの脱却そのものだから、その人の個性と知情意のシステムに刻印を刻んでいく。旅はその人を変えていく。その人を作り直していく。以上は立花隆氏の文章からの引用である。
高齢者講習
自動車免許更新のための高齢者講習会に行ってきた。そろそろ72歳にもなるので、免許は放棄しようかなとも思ったが、毎月あっちこっち医者通いで、市内の近くなのだが、やっぱり車がないと不便。予約しておいた教習所へ行った。そこが実に寂れた感じで、人っ子一人居ない有様、ここ営業してるのかな?と疑ったほどである。その日は合計8人が講習生、ほぼ同年齢のはずなのだが、皆じじいばっかり。最初講義があって、次はいよいよ実習、ところが中に全く説明が理解できない老人が居て、先生もいらいらしている様子。こういう人が道路を運転して走っているのかと思ったら、急に怖くなった。そう言っているこちらも、もう立派な高齢者なので、ひとのことは言えないが、早く全自動運転車を作って欲しいなと思った。
2014年07月02日
お墓参り
外出から帰ったら、駐車場の丁度北側隅っこにあるハチのお墓にお詣りしている人がある。毎月電気の検針に来るおばちゃんである。「有り難うございます。ハチも喜んでいますよ」というと恐縮しながら、「ハチが元気な頃は毎月ハチの可愛らしい顔を見るのが楽しみだったんです」と言った。人なつっこく、台所の上がりがまちがハチの定位置だったから、さぞおばちゃんに尻尾を振って愛敬振りまいていたのだろう。御用聞きや宅急便のお兄さん、出入りの職人さん等々、誰にでも直ぐお友達になるのがハチの取り柄だった。信者さんのご好意で、いかにもハチのイメージそのままの良い感じのお墓を作って下さった。近頃は人間のお墓でさえ、ろくにお詣りしない親不孝者が多い中、出入りする人が入れ替わり立ち替わりお詣りして頂けるハチは本当に果報者である。私も死んだらその脇にでも入れて貰いたいくらいだ。