2014年09月29日
松食い虫
参道両側に松が林立し、開山塔所や境内も沢山松が植えられている。ところが、去年から今年にかけて次々に松食い虫にやられ始めた。1本切り二本切り、まるで歯が欠けたようで、誠に見苦しいことになった。植木屋の親方は最新の良い薬が出ましたのでと言うのでやってみたが、枯れ木は止まらない。今までよく保ってきたという見方もできるので、自然に任せるより仕方がないと思っている。数年前に枯れた後に暫く置いて小さな松の苗を二本植えたのが、今では結構立派に育って元気よく茂っている。いまのは全部枯れて仕舞うだろうが、また若木を植えれば再生する。禅寺は臨齊禅師栽松の話(一つには山門のために境致となし、二つには後人のために標榜となす・・・)の因縁から、どこの寺でも植えられる。暑い夏も寒い冬も変わらず緑を保ち続ける姿が、禅の心そのものだからである。まっ、禅僧も時に弱気になって枯れそうになるときもあるので、これもまた真実を写しているのかも知れない。
投稿者 zuiryo : 2014年09月29日 20:08