« ハクビシン(白鼻心) | メイン | 偏頭痛 »
2014年11月01日
昆虫博士
過日親しくしている人と話をした。久しぶりと言うこともあり、息子さんのこと、お孫さんのことなど、いろいろ話に花が咲いた。そのときご長男のお孫さんの話になったら、ちょっと顔を曇らせた。余り立ち入った話は避けた方が良いと思い黙っていると、ぼそぼそ話し始めた。「じつは~、ちょっと困っているのです」「何ですか」と言うと、「普通の学校の勉強は殆どせず、昆虫の事ばかりなんです」。あるとき二人で昆虫標本館に入り虫を眺めていたら、「おじいちゃん、この名前は違う!」。虫の下に書いてある名前の札が間違いだと言い出したのだ。そこで学芸員の所へ行って事の次第を言うと、しばらく引っ込んでいたがやがて出てきて、「坊やの言うとおりです。私たちの間違いでした。ご指摘頂き有り難うございます」。専門家をしのぐほどの知識である。その後、小学生の下校時の、「見守り隊」にボランティアで参加、その集まりが学校で有ったので顔を出し、順番にまずは自己紹介をし、「私は○○です」と言った途端に、先生達が、「あの昆虫博士の○○くんのおじいちゃんですか?」と言ったそうだ。「はい、そうですが~」と言うと、一座がざわついて、「ああ、あの○○くんの~!」。「それは良いですが、昆虫のむしで、昆虫以外は勉強を何もしないので困り果てているのです。こんな事では行く先が案じられ、どうなることかと頭を痛めているのです」。「かの有名な漫画家手塚治虫も解剖学の養老孟司も、小さい頃は昆虫に夢中になっていたそうですから、そう心配せずに、いつかその才能が生きるときも来ますよ」と慰めたが、おじいちゃんお顔は曇りっぱなしだった。しかし、好きもここまで徹底できれば、子供ながら見上げたもんである。
投稿者 zuiryo : 2014年11月01日 13:11