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2015年02月15日
口笛
6日から8日間印度仏蹟巡拝旅行に出掛けた。参加者は瑞龍寺・天衣寺の会下や私の僧堂時代の友人達14名である。中で一人私の実兄が参加した。相部屋で8日間一緒に過ごしたのだが、考えてみると小さかった頃同じ勉強部屋で寝食を共にして以来60年ぶりくらいである。私は18歳で家を出てから、同じ屋根の下で過ごすと言うこともなかったので、私にとっては本当に嬉しい日々であった。兄弟水入らず、一辺に数十年の時を超えて、いろいろな話をすることが出来た。兄は小さい頃から几帳面な人で、部屋に入りトランクを開けると、縦横キッチリ、一分の隙間なく、実に整然と詰め込まれている。一方私のトランクは、バラバラでしっちゃかめっちゃか、何がどこに入っているのかさえ解らない。引っかき回すからさらに大混乱となり、見るも無惨なことになる。「ひどいね~!」と言うから、「な~に、いざ出発となればちゃっちゃっと整頓できるんだ!」。よく見ると兄は暇さえあれば一日中整頓している。「苦にならない?」と言うと「ぜ~んぜん!」。脇で良くやるよな~と思いながら見ていると、整頓中は必ず口笛を吹きながらやっている。その瞬間、数十年の歳月が一度に吹き飛んだ。そうだ小さい頃も兄は整頓するときはいつも口笛を吹きながらやっていた!無性に懐かしく、胸の詰まる思いになった。
投稿者 zuiryo : 2015年02月15日 14:01