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2015年02月25日

芸術的汚れ

画家のKさんは近年日展の出品作は汚れた壁シリーズである。勿論入選はされるのだが、その上の特選がなかなか思う通りにならず苦しんでおられる。だから旅行に誘うのも汚そうな所へは大抵参加される。前回ブータン旅行もそうだったし、今回インドもお誘いすると即座に参加を決められた。そういう事情を知っていると、旅行中はKさんとの話題は一個所お詣りが済むと「どうでした?いい壁ありました?」となる。ただ汚れていれば良いというわけではなく、画家の目で見た、芸術的に美しい汚れでなければならない。インドといえば至るところ、壁に牛糞を煎餅状にして貼り付けて乾燥させるのが目につくのだが、これなんぞは余り興味を引かないらしい。汚ければ良いと言うわけではないからだ。私はこの牛糞がまるで菊の花のように貼り付けてあるのが美しいと思う。ところで以前、インド旅行をしたとき、田舎の子供が集まってこの牛糞で焚き火をして暖を取っていたのであたらして貰ったことがある。驚いたのは実に良い香りがするのだ。見た目と実際はずいぶん違うものである。今回も至るところで藁を刻む工場があった。これは全て牛糞製造に使われるものだそうで、インドでは今でもこの牛糞、重要な燃料になっているのである。

投稿者 zuiryo : 2015年02月25日 10:59

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