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2015年03月19日

93歳の観梅

二、三日前、まるで春のような日和りに、93歳の長寿を保たれ、尚元気な知人がうちの寺の紅梅を見に来られた。近くの高級介護施設に入って居られ、悠々の日々をお過ごしなのだ。その弟さんも既に83歳の高齢にも拘わらず、いつも気に掛け、会社の報告やら何くれと無く気を遣って居られる。世間ではこの反対の例は良く聞くが、幾つに成っても兄弟仲良く、こういう細かい配慮が出来るというのは、傍から見ていても気持ちの良いものである。その弟さんと春の紅梅見物はここ数年の恒例で、昨年までは四つ輪の手押し車に掴まり自力で歩いていたが、今年は車いすに乗っての見物に成った。元気に座禅会に参加していた頃を懐かしみ、私と何度も堅い握手をした。言葉もやや不自由になり、この握手が万言の会話に成った。また来年もお待ちしてますよと申し上げると、満面の笑みで返された。毎年近くの神社を二ヶ所とうちのお寺へお詣りされるのは、神仏に助けられたお陰で事業が順調にいったのだという感謝の念を忘れないからである。深い人生観を垣間見る思いであった。

投稿者 zuiryo : 2015年03月19日 05:17

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