2015年11月22日
書道家
先日、ある人の紹介で女性の書道家が訪ねて来た。筆一本で生計を立てていると言うので、その頑張りに頭が下がった。総じて書家に限らず画家や音楽家など芸術で身を立てて行くことは容易なことではない。努力の割には恵まれないというのが実感である。じっとお話を伺っているうちに、この方は人間として「徳」を持っているのだな~と感じた。不思議な縁に恵まれ次々に仕事が舞い込んで、それで何とか暮らしが出来ているらしい。綱渡り人生と言えなくも無いが、本人はそんなふうには思わず、「・・・本当に有り難いことです!」と感謝で暮らしている。東日本大震災の現地にも駆けつけて、被災し落ち込んでいる方一人一人に逢い、苦しい胸の内をひたすら聞き続け、その人のイメージに合った「こころ」と言う字を書いて差し上げるボランティアを続けているという。自分に出来ることは何か?と考え、これを思いついたと言う。大変喜ばれ、少しはお役に立てたと感じたそうだ。こういう方だから、次々、不思議に支援者が現れて、そのお陰で生きて行けるのだろう。ものごと、まずは自分の身を守ることから始まる人が多いなか、身を捨てるところから始まる生き方をしている。あの年でそう簡単にできることではない。
投稿者 zuiryo : 2015年11月22日 08:36