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2016年03月30日

実地の経験

何事もお客で行っているうちは良いが、いざ自分がその行事の主催者に成り、全行事を滞りなく進行させて行く側になると全く話は違ってくる。こういうのは理屈ではない、経験の積み重ねである。地方僧堂の場合は自前で何もかもやっていかなければならないから、大変だが良い勉強になる。その点で言うと、本山僧堂の場合は、行事は本山主催となるから、僧堂の雲水は精々飯炊きの手伝いや使いっ走りをさせられる程度である。大会(だいえ)ともなると、法要もさることながら、お授戒・報恩接心なども催され、それらを同時進行で段取りを組んでいくのは並大抵ではない。私は伊深に居るとき、評席中にこの大行事に当たって、大変な思いをしたが良い経験だった。行事中に一度ぶっ倒れたことがあったが、そのお陰で瑞龍寺へ来て2回ほぼ同じ行事を主催したが、難なく乗り越えられた。何事も実地に積んだ経験ほど尊いものはない。だからこれから修行に出さなければならない弟子を持つ和尚さん方は、是非地方僧堂に入門させて欲しいものである。

投稿者 zuiryo : 2016年03月30日 05:16

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